外出しようかな、と思っていた矢先、なんか、ある年に舞った1年分の花粉の量と同じ量の花粉が、今日一日で飛散するという噂を耳にする。これは、今日の花粉の量がものすごく多いのか、「ある年」の花粉の量が極端に少ないのかのどちらかに違いない。
だが、わたしは怯まない。
なぜなら、それを知った瞬間、即座に外出をやめることにしたからだ。
わたしは重度の花粉症である。この時期は、心身共にほぼ8割が機能していない。頭が重く、目は開かない。鼻の穴が閉じているので味覚も大味になっていてつまらない。雑に言ってしまうと、この時期わたしは「半分死んでいる」。ゾンビなわたし。日光に晒されると消滅してしまう悲しいゾンビ、そんなゾンビも中にはいる。
何もせず、何も思わず、ただ花粉の嵐が過ぎ去るのを待っていたい。
正月休みはいらないから、春休みが欲しい。
花粉の飛ばない国があるなら移住したい。
かくして、今日は一日自宅でパソコンを触っていた。ネットサーフィンという死んだ言葉を思い出す。いや、そんなに触ってないか。ただ、眺めていた。NO NUKESという音楽フェスがUSTで配信されるいうということに出掛ける直前で気がつき、それをずっと観ていたのだ。
晩ごはんの米を炊きながら、YMOのRYDEENを聴いているとき、わたしの心はとてつもないほど高揚していた。部屋を暗くして目を瞑っていたが、心は跳ねるように躍っていた。
円熟したお三方のRYDEENは言葉にできないほど見事だった。とくに、細野さんは紳士で落ち着いていて、演奏も粛々とこなしておられ、また一段と惚れてしまった。教授と幸宏さんも良い意味で力が抜けていて、自身も楽しんでおられるようで、いつもとはまた違う魅力があった。
Beach Boys / Barbara Ann
この日、細野さんがアカペラver.としてカヴァーしておられた。
こうして過去の名曲を知ることも「出会い」のひとつとして、とても嬉しいこと。