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『好き』なものが増えれば増えるほど、人生は楽しくなるものだと勝手に想像していた。
日々絶え間なく襲ってくる『嫌い』が視界に入っても見て見ぬふりをして、わたしはせっせと『好き』を集めてきた。砂浜で、綺麗な貝殻を探す少女のように。

そしていま、わたしの周りは両の掌では掬いきれないほどの『好き』で溢れている。
はっきり言って幸せだ。

けれども、ここ最近何やら異変が起きている。
なんなんだろうこの状況は。

***

ハンバーグがすきだ。だいすきだ。
海に向かって叫びたい。

なのに、『実は、ハンバーグ1個食べると寿命が2、3ヶ月縮むらしいよ』っていう研究結果が、最近偉い人から発表されたのである。……激震。発表するなよ。知らなくてよかったのに。これはつまり、大好物を今後一切もう食べるなということか。世界よ、なぜ美味しいものほど体に悪いのだ。

わたしは、ハンバーグの揺るぎなき美味しさと、自分の寿命を天秤にかけ、そして思う。
その犠牲になる寿命の曖昧さは何なのだ。ああ。本題とは無関係なところで、いつもわたしの思考は捩れて絡まる。いくら待っても、天秤が安定する様子は、まるで無い。頭をよぎるハンバーグとの決別が徐々に鮮明になってゆく。

いっそのこと、イスラム教徒にでもなれというのか。
まさか。このようにして、人間は宗教に身を染めていくのだろうか。

……神様。どうか。教えてください。
豆腐ハンバーグはOKですよね?

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ハンバーグだいすき

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わたしごときが誰かに映画をお薦めするなどおこがましい、と今まで遠慮していたのだが、2013年も2日に1本くらいのほど良いペースで映画をコンスタントに観ていたし、映画偏差値もそろそろ平均以上には成長したかなと思うので、去年鑑賞した映画の中から『よかった』作品10本を選んでみた。

『よかった』とあえて漠然とした表現を使用しているのは、『興奮した』や『泣ける』といったような具体的な評価をしてしまうと、作品の内容が少なからず想像できてしまうからだ。

作品の事前情報は少なければ少ないほど楽しめる。
というのが、わたしの個人的な見解である。

例えば、地面に宝物が埋まっているから掘ってみてくださーい、と促されるよりも、庭の花壇をいじっていたら宝箱出てきた!の方が数段嬉しい。それは、その出来事が『思いがけない』からだ。『感動』はいつでも、予想や想像を超えてやってくる。だから紹介はするが、ストーリーは当然のこと、可能であれば作品のジャンルにさえ触れたくない。と思う。 

つまり『感動』を端的に表す言葉で、なるべく内容に触れないように選んだ最大の賛辞が『よかった』なのである。

***

というわけで、わたしが2013年に出会った映画でよかった作品が以下の10本になる。

順序は評価とは関係なく順不同で、ジャンルもばらばらだ。洋画も邦画も特に拘りはない。本心を言うと、もうタイトルだけで観て欲しいのだが、それでは余りにもいきあたりばったりなので、平等に予告編くらいは参考にしても良いと思い、探して添えた。

もう一つ強いてヒントとなる情報を挙げるとすれば、わたしの好みはミステリやサスペンス、ホラー、あるいはアクションである。向かう先が明快な物語は、比較的に没入しやすいからだ。従って、単純にこれらのジャンルを多めに観ているので、今回選ばれている可能性は高いと言える。

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2013年よかった映画10本

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